出世魚と呼ばれる理由について・・・・

成長に伴い名前が変わるから出世魚?

成長に伴い名前の変わる魚が出世魚と言われています。

よく説明には「生まれてから成魚までの
成長過程で名前が変わっていく魚で、
奈良時代から明治維新にかけて武士や
学者が元服し出世する際に改名した事に
ちなんで成長により名前の変わる魚が
出世魚です!」
と掲載されています。
・・・間違いでは無いのですが(^^;

そうだとしたら、成長により名前が変わる
魚はたくさんいるので出世魚は
数多くいるハズです(‘Д’:
こんな魚も名前が変わります!

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出世魚と違う理由は?

出世魚の代表として
ブリ・スズキ・ボラが知られています。

また、カンパチやコノシロ、イワシ、サワラ
クロダイも出世魚と呼ばれる事もありますが
・・はたして?

  • カンパチ

    千葉県外房、東京、相模湾の一部の
    地域では出世魚と呼ばれています。
    カンパチは、ブリが旬を迎えると
    ブリに人気が集まります。

    ・・・好みでブリよりカンパチが
    好きと言う方も当然いますが(^^;
    ブリの旬までの代用として使われる
    事が多く「紅頭」「間八」と漢字で
    書かれたりしますが
    魚偏の漢字を持ちません!
    代用やブリに人気が集中する事で
    出世魚の仲間から外されています。

    ※ ブリ御三家の一員ヒラマサは稚魚から
    成魚までの過程で名前が変わる事ないので
    外されています。

    下記のグラフは、2018年の築地市場の
    ブリとカンパチの取引高の推移を現した
    グラフです。

    カンパチは天然と養殖を合計した数量で
    年末が若干取引量が増えていますが年間を
    通して、ほぼ一定量なのですがブリが美味しい
    期間はブリの取引量との差が大きく開いて
    います。

  • コノシロ

    コノシロは、成魚前の若魚「コハダ」が
    骨が柔らかく、江戸前寿司のネタには
    欠かせない魚で、骨の硬い成魚の
    コノシロより、好んで使われ価格も
    コノシロより高くなっています。

    若魚のコハダの方が人気があっては出世した
    かいが無かった事になります(^^;
    骨が硬い事を除けば、若魚より脂が
    載って旨味も増しているのですが(*^^)v

  • イワシ

    ご存じだと思いますが、「足の速い魚」で
    鮮度落ちが早く、日持ちがしないので、
    「持ちが悪い」のであれば
    出世しても残念な結果となります。

    劣化して臭いを放つ事から、魔除けとして
    用いられたりするようです。

  • 黒鯛

    関東地方はチンチン→カイズ→クロダイ
    関西地方はババタレ→チヌ→オオスケ
    関東と関西では呼び名が違い統一された
    呼び名では無いようです!

    真鯛が朱色で縁起が良い魚、縁起魚とされ
    黒い色の黒鯛は、祝いの席では使われず
    出世魚とされない事が多いようです。

  • サゴシ、サゴチ→ナギ→サワラ
    因みに、サワラの語源は見た目から狭い腹
    「さはら」サゴシは狭い腰「さごし」で
    春から初夏にかけて沿岸に近づき
    多く漁獲される事から魚偏に春と書かれます。

    鮮度の良い物は、透明感のある白身ですが
    直ぐに白濁してしまいます。

    サワラは、身が白いので白身の魚と間違え
    易いのですが、赤身の魚で青物に属します。

    アミノ酸の一種ヒスチジンが多く鯖等と
    同じく、アレルギー様食中毒のヒスタミン
    に時間経過により変化します。

    身が濁った色、アレルギーの心配が
    あるのでは・・・
    門出の祝いに使われる事が少なく
    腹や腰が狭くては貧祖に
    みられ出世したとは言えないようです(^^;

鰤(ブリ)が出世魚なのは!

関東では、ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ
関西では、ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ
ハマチの呼び名は関東では、養殖のブリを
指してハマチと呼ばれています。

ブリの養殖の発祥地の香川県から関東に向け
出荷する際に、関西での呼び名ハマチとして
出荷した事が源になり、関東では養殖ブリの
中型サイズの呼び名と為りハマチは養殖
イナダは天然と区別した事が始まりです。

ブリは「寒ブリ」と呼ばれるように、冬が
旬の魚なのはご存知だと思います。

 

脂の載りが良く、温度や酸化による変色が
早い身質です。

変色が早くては、冷蔵冷凍技術が発達して
いない時代では重宝されていなかったと
思われるかも知れませんが・・・・・
旬の時期が冬なので、外気温による影響が
少なく、しかも、立派な姿で味も申し分が
ない!
冬から初春の、元服や出世の席にもってこい
の魚だったと思います(*^^)v

最近では、養殖のチョコブリと呼ばれる
餌にチョコを混ぜ変色がカカオポリフェ
ノールで酸化を2.5倍程、変色を押さえる
効果があり、臭みが押さえられ、身質の
いいブリの商品化が進んでいるようです。

他に、ミカンの皮、茶葉、オリーブ等を
飼料に混ぜて、すでに商品化されている
ケースもあります。

鱸(スズキ)が出世魚なのは!


スズキの呼び名は
ハクラゴ(~20cm)→ハクラ、セイゴ(20~40cm)→
フッコ(40~60cm)→スズキ(60~100cm)→
オオタロウ(老成魚100cm~)
成長に伴い名前が変わるのですが
やはり、それだけの理由では無さそうです!

東京湾のスズキ、江戸時代も隅田川、羽田川
江戸川などの河口には多くのスズキ釣りポイントが
あったようです。
※参考「釣りひとり稽古」1817年から1830年の江戸時代の文書
東京湾のスズキの旬は夏場とされ、産卵期の冬場も
多く漁獲されますが、生殖腺に栄養がいきわたって
いる為、身痩せして身自体はあまり美味しいと
言えません(^^;
白身の魚は、鮪等の様に高速で常に泳ぎ回る事が
無く、外敵から体を守る際や餌を捕獲する時に
瞬時に動く瞬発力が必要な魚類で、持久力ある
筋肉より瞬発力のある筋肉「白筋」が発達して
います。
※白筋は、身が締まりシコシコとした食感の
白身魚の特徴の歯ごたえの元となります。
赤身に比べて、アミノ酸の一種ヒスチジンが
少なくヒスチジンは経時変化により
アレルギー様食中毒の原因となる
ヒスタミンに変化します!

また、魚の旨味の一つイノシン酸も多く
含まれます魚体の大小にも因りますが、死後
硬直後10時間前後がピークとされて旨味の
ました魚になります(*^^)v

つまり
スズキ等の白身の魚は、ヒスチジンが少なく
旨味の源イノシン酸への変化が緩やかな事
夏場が旬で、昔から夏場に重宝された魚で
魚体も1m前後と立派に成長することから
出世魚とされたと思われます。

鯔(ボラ)が出世魚なのは!


画像は鯔の刺身 250gで198円(*^^)v
勿論、地元長崎産です!
身質が余りにも綺麗だったので洋風の盛りつけに
してみました。
夏鯔も寒鯔に勝るとも劣らない美味しさで
歯ごたえもコリコリ・・臭み等も無く
真鯛と言われても判らないかも(^^)

島原半島の有明町大野浜には、鯔供養塔(ボラ塚)があり
古来より干満の差を利用した石干見(スクイ・スキ)と
言う漁法で盛んに鯔漁が行われていたそうです。

関東 - オボコ→イナッコ→スバシリ→イナ→ボラ→トド
関西 - ハク→オボコ→スバシリ→イナ→ボラ→トド
高知 - イキナゴ→コボラ→イナ→ボラ→オオボラ
東北 - コツブラ→ツボ→ミョウゲチ→ボラ

今でこそ、安い魚なのですが、河川や沿岸が
綺麗で汚染されていない時代は、高級魚で
上品な味で、洗いや煮物、汁物に使われ
稚魚オボコから成魚のボラ、トドまで重要な
食用魚で、淡水でも生きる事で、冷蔵冷凍の
技術が無かった頃でも重宝されいました。

昔は、関東地方では「お食い始め」の
魚として使われ、伊勢地方では、豊漁祈願や
八幡祭の奉納に使われた祝い魚と
されていました。

ボラは雑食性で、海底の微生物を泥ごと
食べるので、生息域次第で臭みが有ったり
しますが、綺麗な場所に生息し獲れたボラは
真鯛と間違えるほどの白身で
昔は、高級魚とされた理由が分かります!

淡水で活かすことが出来、漁獲も多くて
美味しく、祝いの魚と用いられた事から
出世魚とされたと思われます(*^^)v

鮪を出世魚とする説もΣ(゚Д゚)

鮪も成長に伴い名前が変わります!
ならば・・・出世魚と思われがち
ですが、違います。

冷蔵、冷凍技術、輸送が発達して
いなかった時代は、赤身の鮪は変色や
腐敗が早く、下魚で肥料や猫も見向きを
しない「猫またぎ」と呼ばれ、
また、クロシビ、シビと呼ばれ「死日」に
繋がる事から、縁起の悪い魚とされて
いました!
下魚で、「死日」と呼ばれたのでは
出世魚から外されて当然です。(^^;
「シビ」と呼ばれた鮪の説明

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同じ魚で名前を変える必要性!

大きさは違うけど、見た目は同じ
但し、身質や味が違うとしたら・・・
例えば、ブリ
成長に伴い、プリプリの身質から
脂が載って絶妙な歯ごたえになり
刺身に引く時等、若魚のイナダと
ワラサ、成魚のブリでは、厚みも
違い、調理方法も違ってきます。

すべてブリと言う名前で呼んで
いたのでは、買う側も売る側にも
混乱が生じるので、名前を変える
必要うがあったようです。

出世魚の条件を考えてみると

  • 門出の席で使われる魚
    祝いの席の料理に使われる魚なので見た目が
    良く、美味しい魚
    ※ 出世魚とは別に縁起魚と呼ばれる鯛、鯉
    海老、魚卵の数の子等があります。
  • 成長して立派な姿をしている魚
    ブリやスズキ、ボラは稚魚から成魚に成ると
    大きく立派な姿になります。
  • 冷蔵冷凍技術、流通が発達していなかった
    時代から重宝されていた魚で日持ちが良く、
    経時変化が少ない魚
  • 成魚に成った時が、一番美味しいとされ
    稚魚や若魚より人気がある魚

江戸時代、大きく立派に成った魚が武家
屋敷での祝いの席用の料理に使う為
屋敷に運ばれていく様子から出世と置き
換えられて出世魚と呼ばれ出したと言う
説もあります(*^^)v

出世魚の名称は、成魚に成った時の
標準和名が名称になり、統一されて
いない地域ごとの名称は使用されて
いません!

まとめ

出世魚
成長に伴い名前の変わる魚なのですが
他の名前が変わる魚と出世魚との違いを
理由も含めて記述しました。

カンパチや鮪が出世魚と説明される
事も多いのですが、カンパチや鮪、名前が
変わる魚を出世魚としても、しなくても
別に良いのです!
但し、その根拠、理由が記述されている事が
大切だと思います。(^^;

参考 一般財団法人 水産物市場改善協会

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